ドーサの悲劇
週末の朝、プチ騒動
かもめと街
2026.02.15
読者限定
神保町の南インドカレー三燈舎でミールスセットを食べた。セットはドーサかバドゥーラ(揚げパン)を選べるのだけれど、ほぼいつもドーサ一択だ。ドーサは薄いクレープで、どことなくチーズのような芳醇な味わいが地層にあり、それでいてごくわずかに酸味も感じられる。調べてみると、やはり米と豆を発酵させた生地だそう。
どこの店のドーサも総じてばかでかいのが大きな特徴でもあって、三燈舎のそれはライスの山の上に蓋をするかのようにぺーんと乗っかっている。東日本橋にあるダクシンのドーサは、銀の丸い皿の上にティピーのような円錐形をしていた。ぺりぺりとめくって食べ進めると、なんだか自分が巨人になってこびとの家を破壊しているかのようで、なんとなく後ろめたい気持ちになったのを覚えている。
銀座のどこかで食べたそれは、家具店で置かれたマットのようにぐるりと巻かれて横倒しになっていた。横倒しの場合はたいてい、白い皿からどれだけはみ出すかを競い合っているような大きさだ。まるで入学したての子どものような、制服がぶかぶかな感じというか、どうにもサイズ合ってないんじゃないかと思わざるを得ないというか。