*日記* 11月**日

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かもめと街 2025.12.19
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出勤日と同じくらい早く起き、出かける準備を整える。千葉に住む妹の家に一泊するだけだから荷物は少なめにと思いつつ、なんだか結局かさばる。トートバッグになんでもかんでもいっしょくたに詰め込んでいた頃に比べたら、用途や使う頻度別にリュックのポケットに分別して入れられるようになったのは成長してる証だ。電車の中で「どこに入れたっけ?」とおろおろ探さずにすむはず。充電済みのモバイルバッテリーやリップ、ドライアイ用の目薬やアロマオイルはリュックの一番上のポケットに。側面の大きなポケットには移動中に読みたい本と文フリで買ったばかりのZINEを数冊、買ったばかりのうさぎのぬいぐるみ(名前はまだない)も。移動に連れて行くにはデカいんだよなと思いつつ、そばにいる安心感を思うと手放せない。

乗り換え案内を見ると、1時間に1本の電車に乗るにはすでにギリギリ。急げばなんとかなったけど、休日にまでよくばるのやめようと思い、出かける時間を遅らせる。

せきしろさんの新刊ZINE、短編集『馬鹿と言われた方が馬鹿』を読む。これ電車で読むとやばいやつ。マスクの中で口をもごもごし、舌をかんで顔がほころびそうなのを押し殺す。物語の最後にある注釈が長過ぎて笑いがこらえきれない。もういいや、本がおもしろすぎて笑ってんだよ、別に変じゃないでしょと腹をくくる。注釈は補足説明のためにあるものだけど、説明のためというよりは「本筋から外れてるけどここも入れたいんだよね」みたいなノリで、言語学者の川添愛さんが著作で大量に入れていて、それは川添さんが物理学者の須藤靖さんのスタイルを踏襲していると書いていたことを思い出す。どちらの本も最近読んだばかりだから、注釈があまりに長く、ふつうならカットされそうなところがやたらついてることに興奮する。そうそう、昔ぴあが発行してた情報誌のページの余白に書かれてた「はみだしYOUとPIA」好きだったな。

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