窓越しのフレンチフライと生ビール
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かもめと街
2025.09.30
読者限定
頭上を快速電車が通ったような轟音で雷が鳴っていた。雨が降る前に帰れると思っていた予想を鼻で笑うかのように、あっという間に空は灰色の雲に覆われた。地面に打ちつける雨。漫画で表すなら1コマの横幅いっぱいに縦線が入るだろう。天気予報では15時ごろから雨と言っていたから、それまでに昼食を済ませて帰ろうと思っていた。
公園に向かって開かれたテラスの席に視線を向けると、山盛りのフレンチフライが見えた。ああたぶん、今日はオムレツとあれを注文するのが正解だった。注文したメニューだって悪くなかったけど、ランチセットのお得さよりアラカルトの自由度に惹かれる日だってある。
なんだか、いつもそうやって本当の欲求を見誤っているような。